二世帯住宅の水道メーターは世帯ごとに分けられる?
二世帯住宅で親世帯と同居する場合、気になるのが光熱費の負担です。事前に決めた割合で、毎月それぞれが負担するという方法もありますが、お互いになんとなく気を使ってしまって、好きなだけ水や電気を使えないといったデメリットもありますね。
この懸念を解決するために、「メーターを分ける」ということがあげられます。
完全分離型の二世帯住宅であれば、電気のメーターは簡単に分けることが可能です。
では水道のメーターを分けるためには、どのようなことに注意する必要があるでしょうか?
水道メーターを世帯ごとに分ける場合、初期費用がかさむケースがある
例えば、古い家を壊して、親世帯がそれまで住んでいた土地に、完全分離型の二世帯住宅を建てる場合を考えてみましょう。
このとき、その土地には1世帯分の水道管しか引き込まれていません。
二世帯住宅でメーターを分けたい場合は、もう1世帯分契約をする必要があります。このため、新たにもう1本、水道管を引き込む必要があります。
完全にメーターを分離する場合、前面道路に埋設されている水道本管からの引き込みが必要となります。引き込み工事費用は、住宅から道路の距離によって金額が変わってきますが、数十万円から場合によっては100万円を超えることもあります。
おおよその目安ですが、引き込み管1mあたり、最低でも3万円程度はかかるとみておいたほうがよいでしょう。6m引くのに35万円かかった例もあります。重機を動かす際の、ガードマンの人件費用も考慮しなくてはなりません。
また、契約が2世帯分になるということは、毎月の基本料金もそれぞれ別に支払うことになります。
東京都の場合、水道口径20mmで基本料金が1,170円、これが二世帯分となると、2,340円の負担となります。
https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/tetsuduki/ryokin/keisan_23.html
(東京都水道局 「水道料金・下水道料金の計算方法(23区)」)
メリット
- 水道メーターを分けると、水道料金を個別に請求できる
- それぞれの世帯が、自分の世帯の使用量を把握しやすくなる
デメリット
- 水道管の引き込み工事や、メーターの設置工事が必須となるため、かなりのコストがかかる
- 水道料金が2世帯分かかる
水道メーターを世帯ごとに分けるのではなく、子メーターをつけるという方法もあり
見積もりの結果、思ったよりも工事費がかかりそうだ、といった場合には、子メーターを設置して、それぞれ使用した量を把握するといった方法もあります。
水道メーターには親メーターと子メーターがあり、親メーターは、水道本管からの水量を計測するメーター、子メーターは、親メーターから分岐した水道管からの水量を計測するメーターです。
例えば、子メーターは、アパートなどの集合住宅でよく使用されます。
普通、集合住宅では、前面道路からの水道管の引き込みは1本で、親メーターで計測した分を水道局に支払います。この1本の水道管から来た水をそれぞれの世帯に分け、各戸で使用した分は子メーターで管理する方式です。
子メーターを設置するのにかかる費用は、一般的には、子メーターの設置費用が10,000円~20,000円、そのための工事費用が30,000円~50,000円程度と言われています。
この場合の水道代の基本料金は、1世帯分の支払いとなります。しかし、水道代も電気代と同様に、使用した全体量で1㎥あたりの単価が決まる従量制で計算されるため、二世帯分が合算された量の単価が請求されて割高になります。
例:東京都で、親世帯が20㎥、子世帯が32㎥使用した場合の子世帯の水道料金
メーターを分けた場合
(基本料金)1,170円 +(使用料)32㎥×202円/㎥=7,634円
子メーターを使用した場合(基本料金は折半)
(基本料金)1,170円/2 +(使用料)32㎥×213円/㎥=7,401円
この例では子メーターを設置したほうがお得になります。
ですが、実際には蛇口の取り付け数を増やすと、水道メーターの口径も増やさなければならない場合があります。口径を増やすと基本料金も変わってきますので、水道局や工事業者とよく相談することをお勧めします。
メリット
- 水道管の引き込み工事が必要ないため、コストダウンになる。
- 水道料金の基本料金は1世帯分しかかからない
デメリット
- 子メーターの設置費用はかかる
- 子メーターの故障や誤計測のリスクがある
子メーターは、親メーターよりも水道管の損傷や水漏れなどの影響を受けやすく、故障や誤計測のリスクが高くなります。水道料金とメーターの表示が一致しているか、など、定期的に点検や検査を行い、故障や誤計測の早期発見に努めることが重要となります。表示が不安定な時は、水道局に連絡しましょう。
水道メーターを分けるにはどこに連絡したらいいの?
水道メーターを分けるには、まず地域の水道事業者を探すことから始まります。水道局や市区町村のホームページや窓口、あるいは現在の水道料金の請求書などで、地域を担当している水道事業者を確認します。
連絡先が分かったら、名前や住所、電話番号といった情報の他、水道メーターの番号や、水道メーターを分割したい理由などを手元に持っておくと、話がスムーズに進むでしょう。
その後、水道事業者の許可を得た上で、水道工事業者に工事を依頼する必要があります。水道工事事業者としての登録がきちんとあるところを選びましょう。
可能であれば、普段から自分たちが使用している1世帯分の水の量と、基本料金および単価を把握しておきましょう。二世帯住宅になったときにどれぐらいの変化があるのか、イメージしやすくなります。
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